東雲住宅が世論の反感を買った最大の引き金は、周辺相場との圧倒的な「賃料格差」にありました。2026年現在の東雲・豊洲エリアにおける民間タワーマンションの家賃相場は、2LDK〜3LDKクラスであれば月額30万円〜45万円前後、ファミリータイプでは50万円を超える物件も珍しくありません。
対する国家公務員宿舎東雲住宅の家賃(国家公務員宿舎法に基づく「宿舎使用料」)は、国家公務員の俸給や建物の延床面積、築年数などの基準によって機械的に算出されます。その結果、広めの3LDKタイプであっても月額数万円〜10万円台前半程度に設定されています。民間相場と比較すれば3分の1から4分の1以下という破格の水準です。
この宿舎に入居できる資格を持つのは、財務省をはじめとする各省庁に勤務する本省の国家公務員です。特に、大規模災害や国家の緊急事態発生時に登庁を義務付けられている「危機管理要員」や、地方からの転勤者が優先的に割り当てられます。いくら職務上の必要性があるとはいえ、手厚い住宅手当や格安の宿舎使用料という優遇措置に対し、民間企業勤務者からの不公平感を訴える声は根強く存在します。