1976年1月から1992年12月まで、全862回にわたって放送された『クイズダービー』。番組の金字塔となったのが、1979年1月20日に記録された歴代最高視聴率40.5%(ビデオリサーチ・関東地区調べ)です。単なるクイズ番組の枠を超え、社会現象とまで呼ばれた背景には、緻密に設計されたルールと秀逸な心理戦がありました。
出場者は3組のペアで構成され、持ち点3,000点からスタート。最大の特徴は、自らが解答するのではなく、5人の解答者の中から「誰が正解するか」を推理して点数を賭ける競馬方式のシステムにありました。大橋巨泉氏の司会による絶妙なオッズ設定の後、「倍率ドン!さらに倍!」のフレーズとともにスチール製の倍率ボードが点滅する演出は、視聴者の射向心を巧みに刺激したのです。
特に最終第8問は「持ち点を全部賭けて大逆転を狙う」スリリングな展開が定番であり、歴代最高獲得点数を争う白熱のドラマが毎週のように生まれました。賭け点の上限管理と解答者の信頼度を秤にかけるゲーム性は、現代の行動経済学から見ても極めて洗練されたエンターテインメント構造でした。