日本のテレビドラマ史に燦然と輝く金字塔『岸辺のアルバム』。一見平穏に見える多摩川沿いの建売住宅で、家族それぞれが密かに抱える秘密と歪みが静かに進行していく展開は、当時の茶の間に激震を走らせた。
「家族だから分かり合える」という神話を粉々に砕いて見せた山田の視線は、冷酷なのではなく、どこまでも誠実だった。多摩川の濁流が家々を飲み込んでいくラストシーンの衝撃は、2026年を生きる私たちにとっても決して他人事ではない。崩壊の予兆に怯えながらも、それでも縋り付かずにはいられない家族という病理と愛おしさを、彼は鋭利なメスで切り取ってみせた。