完成後、最も世間を騒がせてきたのが年間維持費の赤字問題です。独立行政法人日本スポーツ振興センター(JSC)の試算によると、スタジアムの年間維持管理費は約24億円に上るとされ、大会後の有効活用が進まなければ国民負担による補填が恒常化するのではないかという懸念が強く指摘されていました。
この財政的リスクを抜本的に解決すべく推進されたのが、施設を国が所有したまま運営権を民間に売却するコンセッション方式による民営化です。通信大手や大手エンターテインメント企業、プロスポーツ組織などが参画する民間コンソーシアムが運営権を取得し、税金への依存から自立した収益モデルへの転換が図られています。
民間運営への移行に伴い、スタジアムの利用方針は大きくシフトしました。VIPラウンジやエグゼクティブルームの高付加価値化、デジタル技術を活用した次世代型観戦体験の提供、さらには平日やオフシーズンにおける多目的イベントの誘致など、稼働率を高める施策が次々と打ち出されています。「維持費を食いつぶす巨大施設」から「自走する都市型エンターテインメント拠点」へと脱皮できるかどうかが、現在まさに試されています。