関係者の訃報を探していて「亡くなったと聞いたのに、読売新聞のおくやみ欄に名前が見当たらない」という事態に直面することがあります。ここには、新聞社が設けている厳格な運用ルールが関係しています。
まず金銭面に関して、一般記事として扱われる読売新聞おくやみ掲載料は完全無料(0円)です。一部の読者が「新聞にお悔やみを載せるには高額な掲載料を払わなければならない」と誤解していますが、社会面や地域面に並ぶ一般的なおくやみ欄は報道の一環として扱われるため、費用を請求されることは一切ありません。数十万円以上の費用が発生するのは、企業が社葬などを告知するために広告枠を買い取る「死亡広告(黒枠広告)」を出稿する場合のみです。
では、なぜ無料であるにもかかわらず掲載されないケースがあるのか。そこには読売新聞訃報掲載基準と遺族の選択が深く関わっています。
- 遺族による掲載同意の有無:警察事案等の例外を除き、地域面へのおくやみ掲載は遺族の承諾が絶対条件です。葬儀社での打ち合わせ時に「新聞各社への通知を希望するか」という確認票があり、ここで「非掲載」を選択すると新聞社へ情報自体が回りません。
- 葬儀形式の急激な変化:近年急速に普及した「家族葬」「一日葬」「直葬(火葬のみ)」では、近隣住民や仕事関係者の参列をご遠慮いただく方針を取る家庭が多数派です。混乱を避けるため、意図的に掲載を断るケースが急増しています。
- 締め切り時間と葬儀スケジュールの兼ね合い:新聞の地域面には厳格な版別締め切りが存在します。夕方以降に葬儀日程が確定した場合、翌朝の朝刊印刷に間に合わず、掲載が1日ずれる、あるいは通夜当日に間に合わないため見送られることがあります。