近年、イラストレーターとしての江口寿史の評価は国内外で天井知らずの高まりを見せています。現代のファッションブランドとのコラボレーションやレコードジャケットのアートワーク、全国各地で開催される大規模個展など、その洗練されたガールズイラストは世代を超えて熱烈に支持されています。
その原点にあるのが『ストップ!! ひばりくん!』です。本作が今なお「江口寿史の最高傑作」と評される理由は、単なる画力の高さだけではありません。男らしさや女らしさという既成のジェンダー観を40年以上も前に軽やかに飛び越え、個人の魅力や可愛らしさを無条件に肯定したその先見性にあります。
令和の現代において、多様性やジェンダーレスという概念が一般化するはるか以前から、大空ひばりは「自分が自分であること」を最高にお洒落に楽しんでいました。時代がようやくひばりくんに追いついたとも言える今だからこそ、本作の放つ輝きはより一層増しています。