日本の現場において、200系ハイエースがこれほど強固な支持を集め続けている背景には、数値スペック以上の実用上の必然性が存在します。
都内を中心にリフォーム事業を展開する工務店経営者は、現場の過酷な実情について次のように語ります。
「都心の住宅密集地では、道幅が4メートル未満の狭小道路やセットバックが必要な場所ばかりです。全幅1,695ミリの200系標準ボディだからこそ現場の軒先に横付けできますが、全幅1.95メートルを超える300系では進入すらできません。荷室に3メートルの長尺パイプやコンパネを平積みできるパッケージングは、現在の日本の現場において代わりが効かないのです」
また、近年のアウトドアブームでハイエースをベース車両として活用するキャンピングカービルダーの間でも、同様の意見が主流を占めています。
一般社団法人日本RV協会のデータを見ても、国内バンコン(バンコンバージョン)の圧倒的シェアを200系が保持しています。車幅を抑えながら車内空間を極限まで有効活用できるキャブオーバーレイアウトは、一般的な立体駐車場(車幅1.8m〜1.9m制限)や全国の道の駅の駐車マスにストレスなく収まります。もしベース車両が300系サイズへと肥大化すれば、普段使いを兼ねるライト層のユーザーが完全に離脱する危険性を孕んでいます。