どんなに高価なガイガーカウンターを導入しても、使い方が誤っていれば正確なデータは得られません。空間線量を正確に把握するための基本手順を遵守する必要があります。
1. 地面からの高さを統一する
大人の胸の高さ(地上1メートル)または子どもの呼吸位置(地上50センチメートル)を測定基準とします。地面に直接置くと、土壌に含まれる天然放射性物質(ラドン子孫核種やカリウム40など)の影響を強く受け、空間線量が過大に評価されます。
2. 時定数(タイムコンスタント)を考慮し、数分間静止させる
放射線の放出はランダムな確率現象です。スイッチを入れてすぐに表示される数値はブレが大きいため、測定地点で最低でも3分〜5分間静止させ、移動平均値が安定するのを待つ必要があります。
3. ベータ線遮蔽の有無を確認する
純粋な「空間線量(人体への影響)」を測る場合は、ガンマ線のみを対象とするのが原則です。測定器の検出部にアルミ板や金属カバーなどの遮蔽板を装着し、透過力の弱いベータ線をカットした状態で測定するのが正しい運用法です。
【重要な注意点:食品のベクレル測定はできない】
よくある誤解として「食品にガイガーカウンターを近づけて安全性を測る」というものがあります。食品基準値(100 Bq/kgなど)の検査には、鉛遮蔽体の中で検体を細かく刻んで長時間測定する専用の「核種分析装置(ゲルマニウム半導体検出器など)」が必要です。簡易型ガイガーカウンターを食品にかざしても、バックグラウンドの放射線に埋もれて正確な放射能濃度(ベクレル)は絶対に測定できません。