アルコールが体内に入ると、胃や小腸から速やかに吸収され、血液を通じて脳へと到達します。脳の機能を麻痺させていくプロセスは血中アルコール濃度に比例しますが、いわゆる「イッキ飲み」のような急激な飲酒では、肝臓の分解能力を遥かに超えたエタノールが一気に脳へ流れ込みます。これが大学生イッキ飲み死亡真相の医学的本質です。
アルコールが理性や運動機能を司る大脳皮質を麻痺させるだけでなく、生命維持の根幹である脳幹(延髄)の呼吸中枢や体温調節中枢を麻痺させることで、自発呼吸が停止して死に至ります。また、一命を取り留めたとしても、低酸素脳症によって記憶障害や麻痺などの重篤な急性アルコール中毒後遺症脳の障害を生涯にわたって抱えるリスクが存在します。
表に示した通り、急性アルコール中毒致死量血中濃度とされる0.40%以上には、度数の高い酒を立て続けに数杯煽るだけで、わずか15分から30分の間に到達します。血中濃度の上昇にはタイムラグがあるため、「本人がまだ喋れているから大丈夫」と飲ませ続け、後から急激に昏睡状態へと陥る点がこの病理の最も恐ろしいトラップです。