日常の買い物で広く流通しているJCBギフトカードを、なぜ業界トップクラスの流通網を誇るしまむらが導入しないのでしょうか。その背景には、小売業界における利益構造と、しまむらが誇る「プライスリーダーシップ」の秘密が隠されています。
第1の理由は、信販会社へ支払う加盟店手数料と換金コストの回避です。JCBギフトカードをはじめとする信販系金券を取り扱う場合、店舗側は換金時に額面の約3%〜5%にのぼる決済手数料を負担する必要があります。さらに、回収した紙のギフト券を郵送・仕分け・精算するバックヤードの人件費も上乗せされます。
第2の理由は、徹底したローコストオペレーションの維持です。しまむらの営業利益率はファストファッション業界内でも極めて高い規律で管理されており、商品の値札1枚、陳列方法1つに至るまで省力化が図られています。レジでの金券偽造チェックや目視確認といったオペレーション負荷を排除することが、販売価格の引き下げに直結しています。
第3の理由は、独自の自社商品券および株主優待制度の確立です。他社発行の金券に依存せずとも、自社の流通網だけで十分な集客力を維持できているため、外部コストを払ってまで信販系ギフト券を取り込む経営的動機が存在しません。