処分に困った香水を「液体だから」と洗面台やキッチンのシンク、トイレにそのまま流してしまうケースが散見されますが、これは絶対に避けるべき行為です。一般的な香水(オードパルファムやオードトワレなど)の成分構成を見ると、約75〜85%のエタノール(アルコール)と高濃度の香料(油分)で構成されています。これを直接排水口へ流すことには、住宅設備および環境保全の観点から複数の重大なリスクが存在します。
第一に、下水配管の損傷と悪臭の逆流です。住宅の排水管の多くに用いられている塩化ビニル樹脂(PVC)や接続部のゴムパッキンは、高濃度のアルコールや油性香料に長期間触れると変質・硬化し、ひび割れや水漏れを引き起こす恐れがあります。また、揮発した香料成分が排水トラップ内に滞留し、排水管をつたって家全体に強烈な匂いが数週間にわたり充満する事態も報告されています。
第二に、浄化槽や下水処理施設への影響です。アルコール濃度の高い廃液が大量に流入すると、汚水を浄化している微生物群がダメージを受け、処理機能の低下を招きます。各自治体の水道局や環境局も、油類や揮発性アルコールを直接下水に流さないよう明確に呼びかけています。