インドの観光を語る上で欠かせないのが、国土全域に点在するインド世界遺産一覧に名を連ねる40件以上の文化遺産・自然遺産です。その筆頭が、北東部アグラに白亜の威容を誇るタージ・マハル。ムガル帝国第5代皇帝シャー・ジャハーンが、最愛の妃ムムターズ・マハルの死を悼んで1632年から約22年の歳月と国家財政を傾けるほどの巨費を投じて建設した霊廟です。左右完全対称の幾何学美と大理石の象嵌細工は、当時のムガル建築の最高峰を示しています。
一方、ヒンドゥー教最大の聖地として知られるのがガンジス川バラナシ観光です。紀元前からの歴史を刻むこの古都では、夜毎に行われる礼拝儀式「プージャー」の幻想的な火の揺らめきと、生と死が隣り合わせで営まれるガート(沐浴場)の情景が旅人に強烈な衝撃を与えます。現地を訪れた日本人旅行者の手記でも「死生観が根本から揺さぶられた」と語られる通り、単なる観光地を超えた精神文化の中心地です。
さらに北部のヒマラヤ山麓に位置するリシケシは、世界的なインドヨガ発祥の地として知られ、1968年にビートルズが滞在したことで西欧圏へも広く知れ渡りました。現在も世界中から本質的な心身の調和を求める修行者やウェルネス旅行者が集まる拠点となっています。