アラスカ・コディアック諸島にのみ生息するコディアックヒグマのサイズに関する言説には、誇張と事実が複雑に入り混じっています。とりわけ議論を呼ぶのが「最大体重1トン超」という怪物のような記録の真偽です。
生物学的な測定記録を精査すると、野生下における信頼性の高い最大個体記録は、秋の冬眠直前に計測された体重約680kg(約1,500ポンド)前後とされています。野生環境では日々の移動や捕食活動でエネルギーを消費するため、700kgを超える野生個体を確認することは極めて稀です。
一方で、運動量が制限され十分な栄養を与え続けられた飼育下の環境においては、過去に体重1,000kg(1トン)を突破したギネス級の公認記録が存在します。代表例として知られるのが、アメリカ・ノースダコタ州の動物園で飼育されていたオス「クライド(Clyde)」です。彼は1987年に死亡した際、体重が約1,090kg(2,400ポンド)に達していたと記録されており、これが「体重1トン」という噂の確かな根拠となっています。
体格のスケールも別格です。四足歩行時の肩高(体高)だけで1.5メートルに達し、後ろ足でスクッと立ち上がった身長(全高)は3.0〜3.5メートルを超滅します。大型バスの窓から車内を上から見下ろせるほどの巨躯であり、頭骨の幅と長さの合計値で競われるハンティングトロフィーの測定基準(ブーン&クロケット・クラブ基準)でも、常に世界の頂点を争い続けています。