大黒PAを語る上で避けて通れないのが、インバウンドによる異常な熱狂です。ハリウッド映画『ワイルド・スピード』シリーズや世界的ゲームの影響を受け、海外の車愛好家コミュニティにおいて大黒PAは「日本旅行で最も訪れるべき聖地」として神格化されています。
YouTubeやTikTokでは「Daikoku Parking Area Experience」と題した動画が数千万回再生を記録し、大黒PA聖地巡礼海外の反応を追うと、「GT-RやRX-7が目の前を埋め尽くす光景は天国だ」「東京の夜を象徴するアンダーグラウンドカルチャー」と絶賛の声が並びます。海外の富裕層カーマニアが、大黒PAに行くためだけにプライベートジェットで来日するケースすら報告されています。
しかし、この熱狂の裏で進行しているのが「カーカルチャーの観光公害化」です。高速道路のパーキングエリアであるという認識が薄い外国人旅行者が、大黒ふ頭周辺の工業地帯に配車アプリでタクシーを呼び、高速道路沿いの防護柵付近で立ち往生するトラブルが激増しました。
また、商用ツアーとして無許可の「大黒PA見学バス」を運行する悪質な外国人ブローカーの暗躍も確認されており、当局の監視対象となっています。文化としての知名度が世界規模に跳ね上がった結果、本来の休憩施設としての許容量を完全に突破してしまった現実があります。