ノロウイルスに次亜塩素酸水は効く?効果なしの真相と濃度を徹底検証

ノロウイルスに次亜塩素酸水は効く?効果なしの真相と濃度を徹底検証

ノロウイルスに次亜塩素酸水は効く?効果なしの真相と濃度を徹底検証について見逃せない ポイントを分かりやすい構成で解説いたします。

「手洗いのあとに市販の消毒用エタノールをすり込めば安心」という習慣は、ノロウイルス対策において命取りとなります。インフルエンザウイルスやコロナウイルスには絶大な威力を発揮するアルコール消毒が、なぜノロウイルスには通用しないのでしょうか。

ウイルスの構造には、脂質二重膜でできた外皮を持つ「エンベロープウイルス」と、外皮を持たずタンパク質の殻(カプシド)のみで遺伝子を包み込んでいる「ノンエンベロープウイルス」の2系統が存在します。アルコールは脂質膜を溶解・破壊することでウイルスを殺滅するため、エンベロープを持つ病原体には瞬時に作用します。しかし、ノロウイルスは頑丈なタンパク質の殻に守られたノンエンベロープウイルスであり、通常の濃度(70〜80%)のエタノールを吹きかけても殻を突き破ることができません。

ここで威力を発揮するのが次亜塩素酸(HClO)です。次亜塩素酸分子は電気的に中性であり、ウイルスの強固なタンパク質膜を瞬時に透過し、内部の酵素や核酸(RNA)を強力な酸化作用によって直接破壊します。「脂質を溶かすのではなく、タンパク質の分子結合を酸化還元反応でズタズタにする」というメカニズムを持つからこそ、次亜塩素酸はノンエンベロープウイルスに対しても屈指の不活化能力を発揮します。

井上 凛
著者

井上 凛

心身ともに健康で持続可能なライフスタイルをテーマに、最新のウェルネストレンドを発信中。