スカウト陣のスピードガンがずらりとネット裏に集まる光景は、埼玉大会の風物詩です。今大会で特に注目を集める埼玉高校野球注目選手ドラフト候補として、すでに複数球団の上位リストに名を連ねる昌平のエースをはじめ、140km/h後半の直球と落差鋭い変化球を操る豪腕投手が複数存在します。
現場取材でバックネット裏のプロスカウト関係者から得られた証言によると、「低反発バットに変わったことで、打者のごまかしが効かなくなった分、投手の純粋なボールのキレと制球力、そして打者の芯で捉えるコンタクト能力の真価が明確に現れている」と評価されています。
打線において圧倒的な破壊力を維持しているのが浦和学院のクリーンアップ陣です。冬場のウエイトトレーニングと木製バットを活用した独自の打撃メソッドにより、逆方向へも長打を放てるパワーと技術を兼ね備えています。一方で、花咲徳栄の3番打者が見せる内角球の捌き方や、塁上でのプレッシャーのかけ方は、高校生離れした洗練度を誇ります。
そして、トーナメントのスパイスとなるのがノーシードに潜む私学・公立の好投手たちです。春の地区予選で惜敗したものの、球威だけならプロ注目投手に引けを取らない右腕を擁する山村学園や春日部共栄、聖望学園といった歴戦の顔ぶれが、どのブロックのどのラウンドでシード校と激突するかによって、トーナメント全体の潮目が一転する可能性を秘めています。