丹波篠山の老舗料理旅館や生産農家の現場を取材すると、誰もが口にする共通の流儀があります。それが黒枝豆 美味しい茹で方 プロ直伝の「冷まし方」です。
一般家庭でやりがちな致命的過誤が、「茹で上がった枝豆を氷水や冷水に浸して急冷する」という行為です。緑色の青枝豆であれば変色を防ぐために冷水に落とすケースもありますが、黒枝豆においてこれは完全な禁忌とされています。冷水に晒した瞬間、浸透圧の逆転により豆が余計な水分を吸い上げ、水っぽく締まりのない味へと急速に劣化してしまうためです。
プロの現場では、茹で上がった黒枝豆を一気に平ザルへあけ、団扇(うちわ)や扇風機、ドライヤーの冷風を用いて「急速に風を当てて冷ます」のが絶対原則です。水分を蒸発させながら一気に粗熱を取ることで、莢の中の旨味がぎゅっと凝縮され、鮮烈な香りと深いコクが豆の内部へしっかりと閉じ込められます。
また、塩もみした際の塩を「洗い流さずにそのまま鍋に投入する」のも料亭直伝のテクニックです。もみ塩に含まれる微細な豆のエキスとミネラルが、茹で湯全体の塩分バランスを自然に整え、まろやかな塩味を実現させます。