タイトル戦と並び、棋士のプライドと人生が懸かる舞台が「順位戦」です。特にトップ10人の棋士で争われる順位戦A級対局予定は、毎年6月から翌年3月にかけて総当たりで行われ、優勝者には名人戦七番勝負への挑戦権が与えられます。
ファンの視線が注がれるのが、前人未到の通算タイトル獲得記録を持つ羽生善治対局予定です。自著や手記の中で「勝ち負けを超えた先入観のない境地」を語りつつも、盤上では若手AI研究の最先端を貪欲に取り入れ、鋭い勝負勘を武器にトップリーグで孤軍奮闘を続けています。A級順位戦での羽生九段の対局は、持ち時間各6時間という長丁場であり、深夜に及ぶ終盤戦の秒読みは鬼気迫る緊迫感に包まれます。
例年3月初旬に行われるA級順位戦最終一斉対局、通称「将棋界の一番長い日」は、静岡県「浮月楼」などで全対局が同日開催され、名人挑戦者の決定と降級(B級1組への転落)をかけた壮絶なドラマが早朝まで繰り広げられます。名人戦挑戦者争いだけでなく、残留をかけた1勝の重みが棋士の人生を左右する現場のリアルは、SNSや将棋ファンの間でも毎年最大のトレンドとなります。