小泉家の政治史は、明治・大正・昭和を駆け抜けた小泉又次郎から始まる。全身に昇り竜の刺青を彫り、「いれずみ大臣」と称された男だ。大衆の心を掴む荒々しい演説スタイルと、横須賀の港湾労働者をまとめ上げる圧倒的なカリスマ性。これが現在の小泉ブランドの原点である。
又次郎は逓信大臣を務め、民衆派の政治家として名を馳せた。彼の血脈こそが、のちの純一郎が持つ「郵政民営化」への異様な執念の伏線となっていたことは、歴史の皮肉としか言いようがない。横須賀の土着権力は、この一人の男のカリスマ性によって産声を上げたのだ。