ストリートファッションに対して、「スタイルが良い人しか似合わないのではないか」「10代や20代前半だけのカルチャーではないか」という偏見を抱く人は少なくありません。しかし、現場のスタイリング指導を行うプロの見解は全く異なります。
最大の誤解は、「オーバーサイズ=太って見える」という思い込みです。実際には、生地の「オンス(厚みと張り)」を正しく選べば、むしろ体型カバーに最も適したスタイルになります。薄く柔らかい生地のビッグシルエットは身体の凹凸を拾ってだらしなく見えますが、400g/m²以上のヘビーウェイトコットンのスウェットや、張りのあるタスランナイロンのアウターは、服自体が独立した美しいフォルムを形成し、内部の身体の厚みを完全に覆い隠してくれます。
また、「大人が着ると痛く見えるのではないか」という懸念についても、色数を絞ることで容易に解決します。蛍光色や過剰なグラフィックを避け、スミクロ、チャコールグレー、エクリュなどのニュアンスカラーでワントーンにまとめれば、30代以上の女性であっても極めてモダンで知的なモードストリートとして成立します。「年齢の壁」はアイテム選びではなく、配色の引き算によって自在にコントロールできるのです。