標高約1,500メートルに達する奥蓼科は、平地よりも季節の移ろいが約1ヶ月早く訪れます。四季折々の表情を見せるおしどり隠しの滝ですが、特に圧倒的な絶景を創出するのが秋の紅葉シーズンと真冬の氷瀑シーズンです。
紅葉の見頃は例年10月中旬から10月下旬にかけて。この時期、滝を囲む広葉樹のカエデやナナカマドが燃えるような赤に染まり、カラマツの針葉樹が黄金色に輝きます。岩肌を白く泡立ちながら流れる清流と、赤・黄・緑が織りなす極彩色のコントラストは、茅野市観光の穴場と呼ぶにふさわしい息を呑む景観です。午前中の斜光が差し込む時間帯(9:30〜11:30頃)は、水面と紅葉の乱反射が最も美しく、写真愛好家にとっても絶好のシャッターチャンスとなります。
一方、1月中旬から2月中旬の厳冬期には風景が一変します。氷点下10度を下回る過酷な冷え込みにより、勢いよく流れていた滝水の一部が凍りつき、巨大な氷瀑(ひょうばく)へと姿を変えます。青みを帯びた氷柱(ブルーアイス)が階段状の岩肌を覆い尽くし、自然が創り出した氷の彫刻のような佇まいを見せます。ただし、この時期の遊歩道は完全な圧雪・凍結路となるため、チェーンスパイクや軽アイゼン、防寒アウターなどの本格的な雪山装備が不可欠です。