フィガロをスクリーン上で生き生きと躍動させた立役者こそ、ディズニーの「ナイン・オールド・メン」のひとりである伝説の作画監督、エリック・ラーソンだ。彼はリアリティ溢れる子猫の動きを表現するため、スタジオに本物の仔猫を持ち込んで徹底的なスケッチを重ねたという。
あくびをする際のみみもとの動き、毛づくろいの独特なリズム、そして怒ったときに背中を丸める姿勢。エリック・ラーソンによる綿密な観察眼と手描き作画の情熱が、実在の動物以上の「生命感」を獲得させた。これは当時のアニメーション産業全体に計り知れない衝撃を与え、キャラクター表現の新境地を切り拓く出来事となった。