華やかな芸能界で確固たる地位を築いた斎藤司ですが、その経歴は決してエリート街道ではありません。日本大学を卒業後、新卒で入社したのは急成長中だった楽天株式会社。営業や広告関連の部署で社会人のイロハを学び、テレアポやプレゼンでトップクラスの成績を残すなど、ビジネスパーソンとしての確かな実務経験を積んでいました。
しかし、「どうしてもお笑いの世界で生きていきたい」という情熱を捨てきれず、2004年に25歳という遅咲きの年齢でNSC東京校へ10期生として飛び込みます。そこで出会ったのが、当時10代だった相方のたかしでした。トレンディエンジェルを結成したふたりは、自らの薄毛を逆手に取った「ハゲラッチョ」などのラップネタを武器に頭角を現します。
2013年には『オンバト+』第3代チャンピオンに輝き、『THE MANZAI』でも2年連続で決勝進出を果たすなど、漫才の実力は業界内で高く評価されていました。そして迎えた2015年12月6日、日本中が目撃したのが『M-1グランプリ2015 優勝』という大番狂わせです。
準決勝で敗退し、極寒の六本木ヒルズアリーナで行われた敗者復活戦から勝ち上がったふたりは、本戦の決勝ステージで「斎藤さんだぞ」を組み込んだ怒涛のハゲ漫才を披露。審査員の圧倒的な支持を集め、歴代でも稀に見る「敗者復活からの完全優勝」を成し遂げました。この瞬間、「斎藤さん」は全国区の社会現象へと一気に駆け上がったのです。