復活を遂げた関東・栃木レモンを、ローカルなソウルフードから一気に全国区の人気商品へと押し上げたのが、栃木県出身のお笑いコンビ「U字工事」の存在です。
2008年のM-1グランプリ決勝進出を契機に、U字工事はテレビ番組や漫才の舞台で「レモン牛乳」を栃木の象徴的な名物として熱心に紹介し続けました。栃木弁を交えた飾らないプレゼンテーションは視聴者の知的好奇心を刺激し、「レモンが入っていないのにレモン牛乳とは一体どんな味なのか」という疑問が日本全国で大きな話題を呼びました。
社会学的な見地からこの現象を分析すると、成功の根底には「シビックプライド(地域への愛着・誇り)」と「昭和レトロへのノスタルジー消費」が結びついた構造があります。単なるご当地グルメの紹介にとどまらず、地元住民が愛し、一度は失われかけた物語をメディアが可視化したことで、他県の人々にとっても「どこか懐かしい日本の原風景」として受容されました。現在ではアイスクリーム、クッキー、ステーショナリーグッズにまで派生展開し、栃木県を代表する一大ブランドへと進化を遂げています。