将来的に企業の直雇用正社員を目指す求職者にとって、無期雇用派遣の経歴が履歴書でどのように評価されるかは極めて重大な論点です。ここには職種による残酷な二極化が存在します。
企業の採用担当者が転職希望者の職務経歴書を見る際、着目するのは「雇用元の会社名」と「そこで担当した具体的な裁量権」です。履歴書の雇用形態欄に「株式会社〇〇(派遣元)入社、無期雇用派遣として△△株式会社(派遣先)に配属」と記載することになりますが、中途採用市場においてこれを「一般の正社員経験と同等」とみなす企業は決して多くありません。
特に一般事務職・オフィスワーク系の場合、評価は厳しさを極めます。派遣先での担当業務がマニュアル化されたルーティンワークにとどまりやすく、「自ら課題を発見してプロジェクトを牽引した経験」や「後輩の育成・予算管理の経験」が積みにくいためです。30代以降に直雇用の正社員へ転職しようとしても、「派遣期間が長い」と判断され、書類選考の段階で苦戦を強いられるケースが後を絶ちません。
一方で、ITエンジニア・機電系設計・施工管理などの技術専門職においては事情が異なります。最新の開発現場や製造ラインで高度な実務経験と特定スキルを積んでいる場合、雇用形態が無期雇用派遣であっても「即戦力の技術者」として直雇用の正社員に引き抜かれる、あるいは転職を成功させる事例が確実に存在します。無期雇用派遣がキャリアの武器になるか足枷になるかは、「ポータブルな専門スキルが身につく現場かどうか」にかかっています。