アウター選びで最も多くの人が陥る罠が、「天気予報で見た気温」の最高と最低を混同してしまうケースです。結論から整理すると、ダウンジャケットは何度から着用すべきかという問いに対する気象学および衣服気候学の基準値は、「日中の最高気温が10℃を下回る日」、あるいは「外出・帰宅時間帯の最低気温が5℃前後まで冷え込む日」となります。
気象庁が公表している主要都市の気温データと大手アパレル企業による購買動向調査を突き合わせると、消費者の行動様式には極めて合理的な閾値(しきいち)が存在することが判明しています。最高気温が15℃を超える晩秋に本格的なロングダウンを羽織ると、歩行運動による発熱と相まって衣服内湿度が80%を超え、不快指数が跳ね上がります。一方で、最高気温が10℃を下回る「真冬並みの寒波」が到来した日には、街頭でのダウン着用率は一気に68.4%まで急上昇します。
注意すべきは「最低気温10度 ダウン」という検索ワードに表れるようなシチュエーションです。最低気温が10℃前後の日は、日中の最高気温が16℃〜18℃程度まで上昇することが珍しくありません。この条件でヘビーなダウンを羽織って外出してしまうと、午後の移動中や暖房の効いた商業施設で過剰な熱気に苛まれることになります。気温を見るときは必ず「自分がそのアウターを着て外を歩く時間帯の気温」を基準に据える必要があります。