自宅療養で完治を目指せるのか、それとも即座に入院が必要なのか――その判断は患者の全身状態と客観的な重症度分類に基づいて厳密に下されます。日本呼吸器学会が策定した成人肺炎診療ガイドラインでは、「A-DROPシステム」と呼ばれる客観的スコアリングが入院基準として広く採用されています。
肺炎の入院基準において医師が注視するA-DROPの評価項目は以下の5項目です。
A(Age:年齢):男性70歳以上、女性75歳以上
D(Dehydration:脱水):BUN 21mg/dL以上または脱水所見あり
R(Respiration:呼吸):SpO2 90%以下(PaO2 60Torr以下)
O(Orientation:意識障害):意識混濁や見当識障害の有無
P(Pressure:血圧):収縮期血圧90mmHg以下
これら項目のうち1〜2項目に該当すれば「中等症」として入院が強く推奨され、3項目以上で「重症」として即座の入院管理となります。特に「肺炎の入院期間は何日になるのか」という点に関しては、中等症の成型期であれば7〜10日程度の点滴加療を経て退院できるケースが多いものの、高齢者の肺炎における完治までの期間は大幅に長引きます。高齢者は加齢に伴う呼吸予備能の低下や糖尿病、心不全などの持病が絡み合うため、抗生剤で菌を叩いた後も体力の消耗や嚥下障害が残り、退院までに3週間から1ヶ月以上を要することが珍しくありません。