中島みゆきの長いキャリアの中で、世間の耳目を集めた男性の存在が幾人か存在します。その筆頭が、日本のフォーク界を牽引したレジェンド、吉田拓郎です。
2人の関係をめぐっては、古くから熱愛の噂がまことしやかに語られてきました。しかし事実は、恋愛感情を超越した「孤高の表現者同士による魂の共鳴」でした。1995年、吉田拓郎が深刻なスランプと創作の苦悩に喘いでいた際、中島みゆきに「遺言になるような曲を書いてくれ」と依頼。それに応えて彼女が書き下ろしたのが、稀代の名曲『永遠の嘘をついてくれ』です。2006年の「つま恋コンサート」で中島みゆきがサプライズ登場し、白のシャツ姿で颯爽と歌い上げた伝説のステージは、男女の愛憎を超えたプロフェッショナル同士の崇高な絆を何よりも雄弁に物語っていました。
もう一人、彼女の人生に深く関わっているのが、1988年以降のほぼすべての楽曲編曲を手がける音楽プロデューサーの瀬尾一三です。スタジオで何十年もの歳月を共に過ごしてきたことから、一部で私生活での親密な関係を邪推する向きもありました。しかし瀬尾氏自身も公の場で語っている通り、2人は徹底した信頼関係に基づくビジネスパートナーであり、妥協のない音作りの戦友です。過去に数名のアートディレクターやテレビ局関係者との交際が週刊誌等で取り沙汰されたことはあったものの、結婚を具体化させるような決定的な交際報道は生涯を通じて一度もありませんでした。