これほどの超一級の文化財が、なぜ台湾の地で一堂に会しているのか。その裏には、第2次世界大戦から中国内戦へと続く激動の歴史と、奇蹟的な移動のドラマが存在する。紫禁城(北京故宮)にあった膨大な宮廷コレクションは、戦火を避けるため中国大陸を転々と移動した。
やがて蒋介石率いる国民党政府によって、最も価値の高い精華だけが厳選され、海を渡って台湾へと運ばれた。この時、厳重な木箱に詰め込まれて無傷で保護された宝物こそが、現在の国立故宮博物院の基盤となっている。破壊の危機を乗り越え、今日私たちが目の前で鑑賞できるのは、歴史の偶然と人々の情熱が成し遂げた奇蹟と言ってよい。