コートサイドには、鋭い視線を送るスーツ姿の男たちが並んでいた。国内の大学関係者はもちろん、プロツアーのスカウトやメーカーの担当者たちだ。彼らが探しているのは、単に「今強い選手」ではない。プレッシャーがかかった場面での目の色、ミスをした後の立ち振る舞いなど、数値化できない「資質」を見極めようとしている。
「技術は後からいくらでも伸びる。しかし、勝負どころで見せるハートの強さは教えられない」と、あるプロチームのスカウトは明かす。ここで見出され、卒業後に即プロ転向を果たすロードマップは、今や珍しくない。高校テニスは、世界へ羽ばたくための最も現実的なゲートウェイなのだ。