ネット上の情報や飼い主仲間の雑談では、「4歳なんて人間で言えば30代そこそこ。病気なんてまだ先の話」と軽視される傾向があります。しかし、疫学的なデータはこの楽観論を真っ向から否定しています。
特に警戒しなければならないのが、2歳から6歳にかけて好発する猫下部尿路疾患対策(FLUTD:尿路結石や突発性膀胱炎など)です。猫はもともと砂漠地帯で暮らしていた祖先を持つため、飲水量が少なく尿を極度に濃縮する傾向があります。4歳頃になると室内での運動量が落ち、トイレに行く回数そのものを我慢してしまう個体が増加します。結晶や結石が尿道を塞ぐ「尿道閉塞」は、発症からわずか48時間程度で尿毒症を引き起こし命に関わる救急疾患です。
さらに深刻な盲点となるのが、猫肥満予防と食事管理の失敗です。去勢・避妊手術を受けた猫は、性ホルモンの分泌停止によって基礎代謝が約20〜30%低下します。成長期と同じ感覚でフードを与え続けていると、4歳前後で一気に皮下脂肪や内臓脂肪が蓄積します。ボディ・コンディション・スコア(BCS)で「肥満」と判定された猫は、糖尿病の発症リスクが適正体重の猫に比べて約4倍に跳ね上がるという調査結果も報告されています。見た目の「ぽっちゃりして可愛い」という感情が、愛猫の内臓を蝕んでいる現実を直視しなければなりません。