なぜロシアと同じ?ソビエト連邦国歌の真実とメロディ復活の深層

なぜロシアと同じ?ソビエト連邦国歌の真実とメロディ復活の深層

なぜロシアと同じ?ソビエト連邦国歌の真実とメロディ復活の深層について知っておくべき 理由を厳選して解説いたします。

ソビエト連邦国歌をめぐっては、ネット空間を中心にいくつかの根強い誤解や都市伝説が流通しています。公文書および音楽史の調査に基づき、代表的な2つの誤解を正します。

誤解1:「ショスタコーヴィチの曲が国歌になる予定だったが、スターリンに嫌われて落選した」
新国歌コンペにおいて、名匠ショスタコーヴィチはハチャトゥリアンと共作で候補曲を提出しました。彼らの曲は最終選考まで残りスターリンの前でも演奏されましたが、落選の直接の理由は個人的な恨みではなく、「旋律の覚えやすさと大衆性」でした。ショスタコーヴィチ自身、後に「大衆が声を揃えて歌うには我々の曲は少し繊細すぎた。アレクサンドロフの党歌のほうが、広場に集まる何十万もの大衆を鼓舞するには圧倒的に適していた」と述懐しています。

誤解2:「ロシア国歌とソ連国歌は、歌詞が違うだけでキー(調性)やテンポもすべて同じ」
現在演奏されているロシア連邦国歌は、ソ連時代の録音と厳密に比較すると、わずかに演奏テンポが速く設定され、金管の鋭角的な鳴らし方から、より重厚かつ洗練されたシンフォニックなオーケストレーションへとアレンジが洗練されています。また、ソ連時代は変ホ長調(E-flat major)で演奏されることが多かったのに対し、現代の公式行事では歌いやすさを考慮してハ長調(C major)やニ長調(D major)に移調される事例も見られます。

田中 結衣
著者

田中 結衣

グルメと旅を愛するフリーライター。全国各地の隠れた魅力を独自の視点から紹介します。