映画史において、この象徴を視覚的に頂点へと押し上げたのがウォルト・ディズニー・スタジオによる実写映画『シンデレラ (2015年の映画)』だった。メガホンを取ったケネス・ブラナー監督は、CG全盛の時代にあえて実物としての圧倒的な存在感を追求した。その執念に応えたのが、世界的クリスタルブランドのスワロフスキーである。
完成した小道具は、221面ものファセットを刻み込んだ純度の高いクリスタル製。制作陣は光の屈折率をミリ単位で計算し、劇中で放たれるオーロラのような煌めきを現実のものにした。主演を務めたリリー・ジェームズは、完成した芸術品を前に息を呑んだと当時のインタビューで述懐している。だが、この美しすぎる造形物は、撮影現場に思いがけない試練をもたらすことになった。