2017年の「ユーキャン新語・流行語大賞」で年間大賞に輝いた「インスタ映え」。写真共有アプリInstagram(インスタグラム)の普及に伴い、見栄えが良い被写体や構図を指すポジティブな言葉として社会現象になりました。しかし、ブームの過熱と同時に誕生したカウンターワードが「インスタ蝿」です。読み方は同じ「ばえ」でありながら、漢字に「蝿(ハエ)」をあてることで、見苦しい行動に対する強烈な皮肉と嫌悪感が込められています。
両者の決定的な境界線は、「他者や現場への配慮が存在するか否か」にあります。純粋なインスタ映えが「目の前の素晴らしい体験や料理を美しく記録・共有する行為」であるのに対し、インスタ蝿と呼ばれる行為は「SNSで目立つことのみを目的に据え、周囲への迷惑やルール違反を意に介さない身勝手な振る舞い」を指します。
流行スポットに我先にと群がり、撮影が終われば目的を果たしたかのように現場を散らかして立ち去る姿が、まるで光や甘い蜜に群がるハエのように見えたことから、ネット掲示板やSNS上で急速に定着しました。単なる言葉遊びにとどまらず、承認欲求に憑りつかれた一部の利用者が引き起こすモラル崩壊への強い警鐘として機能したのです。