「なぜ、あそこまで知名度のある番組が打ち切られなければならないのか」。多くの視聴者が抱く素朴な疑問の根底には、テレビ局の評価軸と一般視聴者の体感との決定的なズレが存在します。
民放各局の編成基準において、すでに世帯視聴率は最重要指標ではありません。広告主であるナショナルクライアントが求めているのは、購買意欲の高い層に届いているかを示すコア視聴率(13〜49歳の男女個人視聴率)です。たとえ世帯視聴率が10%を超えていても、中高年やシニア層の視聴が8割以上を占める番組は、CM枠のセールスが成立しにくくなっています。現場の編成関係者によると、「世帯視聴率が堅調でもコア視聴率が1.5%〜2.0%を下回る水準が続けば、半年から1年スパンで即座に打ち切り検討リストに入る」というのが実態です。
低視聴率の要因と一口に言っても、単なる面白さの欠如だけではありません。スマートフォンによる動画視聴やショート動画への可処分時間の流出により、1時間じっくりテレビの前で腰を据える受動的な視聴習慣そのものが薄れています。ネット上で話題沸騰しているように見えても、リアルタイム視聴に結びつかず、再生数も伸びない「評判倒れ」のコンテンツは、シビアな改編期を乗り切ることができません。