都市部の眼科クリニックを訪れる患者の手記や問診票を分析すると、ある共通した行動パターンが浮かび上がる。大手IT企業に勤務する40代男性は、自らの体験談として次のように語っている。
「2025年の秋頃から、PCの画面が刺すように眩しくなり、ブルーライトカット眼鏡を買い替えたり、市販のビタミン配合点眼薬を1日5回以上注したりして誤魔化していました。ただの眼精疲労とピント調節機能低下だと思い込んでいたのです。しかし数カ月後、夜間の運転中に信号機の光がにじんで前が見えなくなり、慌てて受診したところ、皮質白内障が急速に進行していました。『あと半年放置していたら緑内障を併発して視覚障害が残っていた』と医師から告げられた瞬間は背筋が凍りました」
SNSやネット掲示板の相談スレッドでも、「蛍光灯が眩しくてスーパーに長く滞在できない」「太陽光を見ると吐き気がする」といった悩みが日常的に吐露されている。その多くが心療内科で自律神経失調症と眩しさの理由を説明され、抗不安薬を処方されるにとどまり、眼科的な精査を受けないまま根本原因を見落としている現実がある。
自律神経の乱れによって交感神経が過剰に優位になると、瞳孔散大筋が緊張し続け、瞳孔が開きっぱなしになる。その結果、目に入る光の絞りが効かなくなり、羞明感と眼精疲労が加速する悪循環へ陥る。現場の医師らは「不定愁訴と決めつけず、眼底や角膜の精密検査を行うことが初動の鉄則である」と口を揃える。