手の指と足の指における最大の構造的な違いは、漢字の部首に現れています。手の指を表す「指」は手偏であり、「手を使って指し示す、物を掴む」という意味を持ちます。対して足の指を表す「趾」は足偏に止(とまる・あしあと)と書き、「足の先、地面を踏みしめる部分」を意味する漢字です。
日本語の歴史において、手の指には日常生活の動作に基づいた明確な役割の名前が付けられました。
・親指:指の中で最も太く頼りになる「親(主たる指)」
・人差し指:人や方角を「指し示す」ために使う指
・中指:5本の指の「中央」に位置する指
・薬指:かつて薬を水に溶いたり、塗布したりするときに使った指
・小指:最も細く「小さい」指
足の指には「物を指し示す」「薬をすくい取る」といった機能はありません。しかし、古くから親指・中指・小指といった概念を手から援用し、現在のように「足の人差し指」「足の薬指」と呼ぶ慣用表現が定着していきました。