高レート帯のプレイヤーやプロシーンの解説で頻出する「ウェーブスタック」は、レーン戦の勝敗を根底から支配する最重要マクロです。その本質は「スロープッシュを作り出し、大量のミニオンを一気に敵タワーへ叩きつける」ことにあります。
スロープッシュの具体的な作り方
ウェーブスタックを作る手順は論理的かつシンプルです。
まず、ミニオン同士がレーン中央付近で衝突した際、「敵の後衛ミニオン(キャスターミニオン)のみを1〜2体素早く倒し、前衛ミニオンには手を出さずラストヒットだけを取る」状態を作ります。敵の後衛火力が減るため、味方の前衛ミニオンが長生きし、敵ミニオンを削るスピードが極めて緩やかになります。
この「わずかに味方が有利な状態」を保つことで、現在のウェーブが処理し切れる前に、本陣からやってきた次の味方ウェーブが追いついて合流します。これを2〜3ウェーブ繰り返すことで、15〜20体以上の味方ミニオンが凝縮された巨大な「スタックウェーブ」が完成します。
スタックウェーブがもたらす3大戦術的メリット
このスタックウェーブを敵タワー下に押し込むことで、相手レーナーに対して耐え難いプレッシャーを与えられます。
第1に「安全なタワーダイブの成立」です。タワーは侵入してきたミニオンを優先して攻撃するため、味方ジャングラーを呼び寄せて2対1のダイブを仕掛ける際、タワーのターゲットを受けるタイミングを自在にコントロールできます。万が一敵が反撃してきても、大量の味方ミニオンが一斉に敵チャンピオンを攻撃するため、序盤ならミニオンの総ダメージだけでキルに繋がります。
第2に「絶対的なリコール権の獲得」です。大量のミニオンがタワーに焼かれている間、相手はその処理に拘束され、レーンを離れることができません。その隙に悠々と本陣へ帰り、体力回復とアイテム購入を済ませてレーンに戻っても、ミニオンの損失(CS・経験値ロス)が実質ゼロになります。
第3に「ドラゴンやヴォイドグラブへの関与」です。敵がタワー下でCSを拾っている数分間、ジャングル内の重要オブジェクト戦において数的不利が生じないため、安全にオブジェクトを確保できます。