三木のり平の私生活と家族関係において、中心となるのが長男の小林のり一(こばやし のりいち)です。父の背中を見て育った小林のり一は、コメディアン・俳優として芸能界入りし、父の舞台の付き人や助手を務めながらその薫陶を受けました。
偉大な父を持つ二世タレントとしての葛藤は決して小さくありませんでしたが、のり平は息子に対して過度な甘やかしを一切排除し、「舞台の上では親子ではない、一人の芸人として立て」という冷徹なプロ意識を求めました。その厳しい教えがあったからこそ、1999年ののり平逝去後、桃屋CMのアニメキャラクター「のり平」の声優は息子の小林のり一が二代目として正式に継承されることとなりました。
親子二代にわたって半世紀以上も同一ブランドの声を担当し続けるという事例は、日本の広告・芸能史においても極めて稀有な奇跡であり、三木家が遺した芸の血脈の強さを物語っています。