発声トレーニングは万人に対して効果を発揮する筋肉の協調訓練だが、現状の喉の状態や発声癖によってアプローチを変える必要がある。自己判断で進める前に、以下の基準を確認してほしい。
【積極的に取り組むべき人】
・人前で話すときに声が上ずりやすく、緊張が声に出やすい人
・会議や商談で「もう一度言ってください」と聞き返される頻度が高い人
・自分の録音音声に対して軽さや頼りなさを感じ、説得力を底上げしたい人
これらに該当する人は、共鳴腔の拡張や腹式呼吸を導入することで、驚くほど短期間で声の安定感を実感できるはずだ。
【一度立ち止まり、専門家の受講や耳鼻科受診を優先すべき人】
・日常会話の時点で常に喉のイガイガ感や声枯れを感じている人
・過去に声帯ポリープなどの診断歴がある人
・「絶対に誰々と同じトーンの声になりたい」と特定の声質へ過剰に固執している人
すでに声帯に器質的なトラブルがある状態で自己流のトレーニングを重ねると、症状を悪化させる危険がある。また、声質は個々の骨格や声道長に依存する部分もあるため、自分の骨格が持つ「最も魅力的な固有の響き」を探すスタンスを持つことが、挫折を防ぐ最大のボイストレーニングのコツである。