Q1:妊娠12週のエコーで医師から「鼻骨が見えない」と言われました。ダウン症の確率はどれくらい跳ね上がりますか?
A1:鼻骨が見えない場合、統計上の相対的リスク(尤度比)は約5〜6倍程度上昇するとされています。しかし、これは「元の年齢ごとの確率」にかける数値です。例えば30歳の方のダウン症確率はおよそ1/1,000ですので、それが5倍になったとしても1/200(0.5%)程度であり、99.5%の確率でダウン症ではありません。また、前述の通り日本人胎児は正常でも5〜10%程度で初期に鼻骨が見えないため、鼻骨単独の所見であれば過度に絶望する必要は全くありません。
Q2:4Dエコー写真をもらいましたが、赤ちゃんの鼻がぺちゃんこで潰れているように見えます。障害の可能性はありますか?
A2:エコー写真の見た目だけで障害を推測することは医学的に不可能です。4Dエコーは子宮内の断層画像をコンピュータ処理してレンダリングした立体像であり、胎児の顔が子宮壁や胎盤に触れていたり、手やへその緒が重なっていたりすると、鼻が平たく押しつぶされたように描出されることが日常茶飯事です。骨組織の有無は専門的な2D断面でしか正確に評価できませんので、写真の見た目を気にする必要はありません。
Q3:NIPTで「陰性」でしたが、その後のエコーで「鼻が低い気がする」と言われました。羊水検査を受けるべきでしょうか?
A3:ダウン症(21トリソミー)に関して言えば、認証施設で行われるNIPTの陰性的中率は99.9%以上と極めて正確です。NIPTで陰性が出ているのであれば、エコーで鼻が低く見えたとしても、それは単なる胎児の「お父さんやお母さんに似た顔立ちの個性」である可能性が極めて高く、ダウン症を懸念して侵襲性のある羊水検査を追加する必要性は医学的にはほとんどありません。
Q4:鼻骨以外に、エコーでダウン症を疑う指標(ソフトマーカー)にはどのようなものがありますか?
A4:代表的な初期の指標にはNT(胎児後頸部浮腫)の肥厚、静脈管血流の逆流、心臓の三尖弁逆流があります。また妊娠中期以降では、心室中隔欠損などの心奇形、十二指腸閉鎖、大腿骨(太ももの骨)の短縮、腎盂拡張、腸管高輝度エコー(腸が白く光る)などが観察対象となります。専門医はこれらを総合的に評価してリスクを算出します。