漢字の成り立ち(会意兼形声文字)を紐解くと、なぜ「手偏に安」という構成になったのかが明確に理解できます。
偏である「扌(て)」は人間の手や腕を使った動作を表します。一方、旁(つくり)の「安」は、家の中で女性が静かに座っている姿から生まれた文字で、「やすらか」「落ち着く」「平らにする」といったニュアンスを内包しています。この2つが合体した「按」は、「手で上から押さえつけて平らに落ち着かせる」という動作が原義です。
この原義から、時代を経て次のような3つの主要な意味へと枝分かれしていきました。
1つ目は、物理的に「手で押さえる、揉む、撫でる」という意味です(例:按摩)。
2つ目は、物事を落ち着いて「調べる、吟味する、問い詰める」という意味(例:按検)。
3つ目は、筋道立てて「考える、考慮する、計画を立てる」という意味(例:按排、按ずる)。
このように、「手でしっかりと押さえてコントロールする」というイメージを頭に置いておくと、派生した言葉の意味が腑に落ちやすくなります。