休業期間を経て、飛田新地が段階的に営業を再開するにあたって講じられたコロナ感染対策は、極めて緻密かつ徹底したものでした。その象徴となったのが、玄関先に導入された透明アクリル板の設置と消毒体制の義務化です。
飛田新地のアクリル板設置は、従来「オープンな対面」を売りにしてきた街の景観を劇的に変える試みでした。通行人と座っている女性との間に物理的な遮断物を設けることで飛沫を防ぎつつ、アルコール消毒液の常設や検温器の配備が全店で徹底されました。
さらに、行政の要請に合わせた営業時間短縮も厳密に遵守されました。通常時は深夜24時まで営業していた店舗群が、夜20時や22時で一斉に暖簾を下ろすなど、組合の巡視員による見回りが日々実施されたのです。風情が損なわれるという懸念を抱えながらも、安全性を最優先にしたこれらの施策は、街の継続性を担保するための不可欠な防衛策でした。