インターネット上では「足が遅い奴はA判定を諦めろ」「生まれつきの運動神経で決まる」といった言説がまことしやかに語られています。しかし、得点換算構造を冷静に分析すれば、これらが完全な誤解であることが論理的に証明できます。
盲点1:50m走とシャトルランで失点しても「他で満点」ならA判定は獲れる
例えば高校3年男子の場合、A判定ラインは65点です。仮に天性のスピードが不足しており、50m走が7.6秒(5点)、シャトルランが60回(3点)だったとしましょう。この2種目での合計得点はわずか「8点」に沈みます。
しかし、残りの6種目(握力、上体起こし、長座体前屈、反復横跳び、立ち幅跳び、ハンドボール投げ)のうち、5種目で10点、1種目で9点を確保できれば、合計得点は67点となり見事にA判定を突破できるのです。新体力テストは各種目の得点ウェイトが「完全に平等(各10点)」であるため、苦手な特定種目を引きずる必要は全くありません。
盲点2:長座体前屈と上体起こしは「最も努力対効果が高い」
多くの生徒が見落としているのが「長座体前屈」の破壊力です。長座体前屈は走力や投力と異なり、生まれつきの骨格差よりも筋肉の柔軟性に左右されます。本番の2〜3週間前からハムストリングスや臀部の静的ストレッチを毎日風呂上がりに行うだけで、計測値が5〜8cm伸びることは運動生理学的に珍しくありません。これだけで点数が一気に「2点」跳ね上がります。
上体起こしも同様です。30秒間腹筋を収縮させる持久力は、正しい呼吸法と反動動作を練習するだけで3〜5回の底上げが可能です。「運動神経がないから」と匙を投げる生徒ほど、こうした技術介入度の高い種目でみすみす満点を逃しているのが実態です。