80代を迎えると、多くの人が「認知症への恐怖」を抱くようになります。しかし、和田医師は「80代後半になれば誰の脳にも老人斑などの変性が現れるのであり、認知症は病気というより自然な老化現象の一部である」と説きます。
発症を恐れるあまり外出を控えたり、失敗を避けて何もしなくなったりすることこそが、脳の働きを急速に衰えさせる最大の要因です。本書で提唱される「幸齢者(こうれいしゃ)」とは、加齢による変化を素直に受け入れながら、残された人生の時間を思い切り楽しむ生き方を指します。
認知機能を維持するために有効なのは、退屈な脳トレドリルを義務感でこなすことではありません。自分の好きな趣味に没頭し、美味しいものを食べ、気の置けない仲間とおしゃべりをして大笑いすることです。感情を豊かに動かし、日々の暮らしに小さなワクワクを見出すことこそが、最も効果的な脳の活性化法となります。