プロフィギュアスケーターへと転向して以降、羽生結弦のクリエイティビティは天井知らずの進化を遂げている。東京ドームを単独で埋め尽くした歴史的公演『GIFT』、そしてゲームの世界観をプログラミング的思考で氷上に落とし込んだツアー『RE_PRAY』。私生活の激動を経験した時期ですら、彼の足元がブレることはなかった。
ディズニープラスでの世界配信を通じて世界中のオーディエンスが目撃したのは、傷つき、葛藤しながらも、表現の極限へ跳躍する人間の凄みだった。プロ転向後の単独アイスショーという未踏のジャンルにおいて、彼の肉体表現はむしろ深みを増している。私生活の歓喜も痛切な経験も、すべては滑りの純度を高めるための薪としてくべられていく。観客はそこに、生々しいまでの生き様を見出さずにはいられない。