突発的な口の渇きや緊張による不快感を今すぐ和らげたい場合、即効性のあるセルフケアの手法を身につけておくことが心強い助けとなる。最もダイレクトで効果的なアプローチは、顔周囲に存在する「三大唾液腺」を外部から刺激するマッサージ法だ。
耳のやや前方に位置する「耳下腺(じかせん)」に人差し指から薬指までの指先を当て、後ろから前へ円を描くように優しく刺激する。続いて、顎の骨の内側の柔らかい部分にある「顎下腺(がかせん)」を親指で押し上げるように順に押し、最後に顎の先端の裏側にある「舌下腺(ぜっかせん)」を両手親指で真上に向かって押し込む。これらの刺激によって腺組織が物理的に活性化され、滞っていた唾液の分泌が促される。
あわせて実践したいのが、呼気を主導とする深い腹式呼吸である。鼻から静かに息を吸い込み、倍以上の時間をかけて口からゆっくりと息を吐き出す。長めの呼気は副交感神経を強制的に優位へ導き、交感神経の過剰な興奮を沈静化させる。冷たい水を行き渡らせるように少しずつ含みながら飲むアクトも、脳内の警戒信号を緩める応急手当として極めて有効だ。