1990年代初頭、レーサーレプリカ全盛期の反動として巻き起こったネイキッドブーム。その中心で圧倒的な異彩を放ったのが、ヤマハ発動機が世に送り出した名車「XJR400」だった。造形美に優れた空冷4気筒エンジンは、空冷フィンの一枚一枚にまで機能美と躍動感が宿る。
水冷化が急ピッチで進んでいた当時のオートバイ産業において、あえて空冷にこだわり抜いた造形は、カスタムベースとして爆発的な人気を博した。高回転域で甲高い音色を奏でるエンジン特性と、伸びやかなフレームライン。それは当時の若者たちにとって、自己表現のためのキャンバスそのものだったのだ。