現場の指導者や保護者に直接取材を行うと、数字だけでは見えない生々しい葛藤が浮かび上がってきます。ある公立中学校のベテラン指導者は、取材に対して次のように胸中を明かしました。
「平日の練習時間が1時間半に制限される中、セットプレーの落とし込みや個人のスキルアップをどこまで追求できるか、毎日が時間との戦いです。週末にクラブチームへ通う選手と部活のみの選手とでは、1年経つとボールハンドリングやコートビジョンに埋めがたい差がついてしまうのが現実です」
また、実際にクラブチームにお子さんを通わせている保護者からは、次のような実感が語られました。
「月謝や遠征費の出費は決して小さくありませんが、県外の強豪チームとの練習試合や元プロ選手のクリニックを定期的に受けられる環境は、息子のモチベーションを劇的に変えました。ただ、送迎の負担や学業との両立管理は親にとっても覚悟が必要です」
このように、育成の質が向上した反面、家庭側のリソースや環境への適応力が選手の成長スピードを大きく左右する時代になっています。