車にあまり詳しくないドライバーが陥りがちな最大の誤解は、「足立ナンバー=足立区民の車」という認識です。行政上の登録区分において、足立ナンバーの管轄エリアは足立区単独ではなく、東京東部の中核をなす広大なエリアをカバーしています。
実際の登録や車検実務を担っているのは、足立区南花畑にある足立自動車検査登録事務所(業界内では足立ナンバー車検場と通称される重要拠点)です。現在、この事務所が交付・管理している足立ナンバー管轄地域は以下の5区に及びます。
- 足立区:北千住をはじめとする巨大ターミナルを抱え、近年は大学誘致で若年層が急増。
- 台東区:上野、浅草、谷中など、国内外から観光客が押し寄せる文化財と商業の中心地。
- 墨田区:東京スカイツリーがそびえ立ち、錦糸町の繁華街と下町情緒が同居するエリア。
- 荒川区:日暮里の繊維街や南千住の再開発タワーマンション群が広がる地域。
- 江戸川区:葛西臨海公園や広大な住宅地を擁し、子育て世代の転入が活発なベッドタウン。
つまり、上野の一等地に建つ老舗企業の社用車も、浅草の歴史ある料亭の送迎車も、タワーマンションが林立するエリアに停まる数千万円クラスの高級輸入サルーンも、すべて例外なく「足立ナンバー」を装着しています。足立ナンバー台東区墨田区江戸川区の実態を見ればわかる通り、このプレートを「足立区だけのローカルな記号」として捉えること自体が、制度の実態から大きく外れているのです。